ラ・セーヌ・ミュージカル劇場

LA SEINE MUSICALE

坂茂を強調

ラ・セーヌ・ミュージカル劇場
インスラ・オーケストラの本拠地は、ラ・セーヌ・ミュージカル劇場だ。

ラ・セーヌ・ミュージカル劇場は、2017年4月に開館。フランスそして欧州でも独創的な複合施設で、パリ西部の島に位置する。一か所にコンサートホール、展覧会スペース、遊歩道、レストラン、芸術や文化に関連するショップが集まる場所だ。

坂茂とジャン・ドガスティーヌが設計したラ・セーヌ・ミュージカル劇場は、景観と産業が営まれたこの区画の過去に敬意を払っている。建物の曲線は、島の下流先端部の形に調和するかのよう。さらにラ・セーヌ・ミュージカル劇場は、水の反射を活かすように設計された。またオーディトリアムの木製構造体は、セーヌ河の上を浮遊しているように見える。1 000 m²以上の太陽光パネルが形作る巨大な屋根が網状の木製構造体の周囲を回転し、太陽の動きを追う。一方で、オーディトリアムとその屋根は、このプロジェクトに奇抜なアイデンティティを付与している。

多彩なプログラムが繰り広げられるふたつのホールを備え、あらゆる音楽が奏でられる場所だ。6000席のラ・グランド・セーヌでは、ポップロックコンサートやミュージカルコメディが演じられる。1150席のオーディトリアムは、クラシック音楽、ジャズ、世界の音楽を中心としたコンサートに対応できるようになっている。

永田音響設計、ラムルー・アコースティックという高い信頼性を誇る2社が担う素晴らしい音響設計によって、弦楽四重奏団、交響楽団、音楽劇制作がその能力を発揮し、聴く者の耳に心地よく広がっていく。
オードセーヌ県は、オーディトリアムのプログラミングの一部をインスラ・オーケストラに任せている。楽団はこのミッションに忠実に、世界各国の優れたアンサンブルを招聘し、シーズンに1度は客演指揮者と共演するなど、極めて質の高い大胆なプログラムを聴衆に提案する。